2019.09.25
ニュースリリース
クラウドコンピューティングを強化するAIチップを発表
HanGuang 800 によって、EC事業における検索、レコメンデーション機能、カスタマーサービスが向上
アリババグループは本日、技術と科学の研究をリードするDAMO(アリババのグローバル研究プログラム)内の、
T-Head(中国語名:平頭哥)によって初めて開発された、推論用のAI(人工知能)チップを発表しました。
本年のApsara Computing Conferenceにて発表された「HanGuang 800(含光800)」と称されるNPUである推論用の高性能AIチップは、機械学習タスクの高速化に特化しています。現在、同チップはアリババグループ内でのビジネス運用にて主に使用されており、特にEC事業における商品検索、パーソナルレコメンド機能、広告、インテリジェントな顧客サービス、自動翻訳などにおいて活用されています。これらの機能を通して提供している、より最適な買い物体験は、AIタスクにおける強力なコンピューティングパワーによって可能になっています。
アリババグループ最高技術責任者(CTO)兼 アリババクラウドCEO
張建鋒(Jeff Zhang)のコメント
「『HanGuang 800』の発表は、次世代テクノロジー開発における布石となり、エネルギー効率の向上とコンピューティング能力を大幅に高めることによって、我々の既存事業だけではなく新規事業の発展を促していくでしょう。近い将来、我々のクラウド事業を通して、クライアントの皆様がチップを搭載した高度なコンピューティングにいつでもどこでもアクセスすることを可能にすることで、ビジネスの活性化をサポートします。」
アリババクラウドは、最先端のテクノロジーインフラストラクチャを提供し、あらゆる規模の企業にメリットをもたらすとともにテクノロジーにおけるギャップを縮めることで、世界をより包括的にすることを大きな目標として掲げています。
自社開発のハードウェアフレームワークおよび、アリババエコシステム内の小売や流通などの事業のために最適化されたアルゴリズム設計によって開発された「HanGuang 800」は、これまでの初期テストにおいて優れたパフォーマンスを残しています。シングルチップのコンピューティングパフォーマンスは、ピーク時では78,563 IPS、同時にResNet-50推論テストにおける計算効率は500 IPS / Wでした。どちらのパフォーマンススコアも業界平均を大きく上回っており、強力なコンピューティング機能とトップレベルの計算効率のバランスによって打ち出された、他にはない優位性を示しています。
例えば、アリババのECサイトである淘宝(タオバオ)では、毎日約10億枚の画像が店舗によってアップロードされています。以前はこのような大量の画像を識別したのち、数百万人の消費者にパーソナライズされたサーチとレコメンデーションを提供するためには1時間を要していました。しかし、「HanGuang 800」では、同様のタスクを5分で完了することができます。
アリババのチップ研究部門は、クラウドとエッジの両方のチップ設計の革新をけん引しており、チップ業界のグローバルパートナーと提携することにより、包括的なエッジからクラウドコンピューティングにおけるエコシステムを育成しています。今年の初めにT-Headは、オープンソースのISAであるRISC-Vに基づいた、高性能IoTプロセッサのXuanTie910を発表しました。 XuanTie910は、AI(人工知能)、ネットワーク、ゲートウェイ、自動運転、エッジサーバーなど、高性能コンピューティングを必要とするより高度で強力なIoT活用のために設計されました。世界中のディベロッパーは、高性能プロセッサの特定のコードにアクセスしテクノロジーを活用することで、独自のチップのプロトタイプを開発することが可能です。
アリババグループについて
アリババグループのミッションは、『あらゆるビジネスの可能性を広げる力になる(To make it easy to do business anywhere)』です。アリババグループは未来のビジネスインフラを構築し、102年以上続く企業を目指しています。
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